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申請ノウハウ

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 応募申請ガイドから読み解く 採択を勝ち取る申請のポイント

この記事のポイント

  • 第1回公募スケジュールが変更

  • 3つの申請枠の「定義」を理解することが重要

  • 数値目標は、実現可能な水準で設定する

  • 事業計画は経営戦略との一貫性・具体的根拠が問われる

はじめに

2026年度に新設された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が2026年6月29日に開始されました。
本制度は、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と「中小企業新事業進出補助金」を統合した新たな補助金制度です。本補助金には、「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの枠が設けられています。
また、2026年8月24日には、事務局より応募申請ガイドが公開され、申請にあたって確認すべき具体的なポイントが示されました。
申請受付開始までの期間も限られているため、早めに申請要件や提出書類、事業計画の内容を確認しておくことが重要です。
本コラムでは、公式の「応募申請ガイド」をもとに、申請者が特に押さえておきたいポイントを整理し、採択に向けて準備しておきたい事項を解説します。

新事業新進出・ものづくり商業サービス補助金の制度概要・従来制度との変更点は、以下コラムでも解説しております。ぜひあわせてご覧ください。

≪参考記事≫
https://svltd.co.jp/shinjigyou-monohojo-col/detail.html?id=2563

第1回公募スケジュールについて

第1回公募のスケジュールは、2026年7月17日に事務局より変更が案内されています。
詳細は以下のとおりです。

項目変更前変更後
公募開始令和8年6月29日(月)令和8年6月29日(月)
申請受付令和8年8月31日(月)令和8年9月30日(水)
申請締切令和8年9月30日(水)18:00まで(厳守)令和8年10月30日(金) 18:00まで(厳守)
採択発表令和8年12月(予定)令和9年1月(予定)

≪出典元≫
https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/schedule

公募開始時に掲載されていた日程から変更されているため、申請準備の際は必ず最新の公募情報をご確認ください。

3つの申請枠と対象となる取組

本補助金には、「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの事業枠があります。枠によって対象となる事業の内容や求められる要件が異なるため、まずは自社の取組がどの枠に当てはまるのかを確認することが重要です。

・革新的新製品・サービス枠
自社の技術やノウハウを活かし、新たな価値を持つ製品・サービスを開発する取組が対象です。
単なる機械装置の導入や既存の生産工程の改善だけでは対象になりません。
また、すでに同業他社で広く普及している製品・サービスの導入も対象外となります。

・新事業進出枠

新たな製品・サービスを、新たな市場に展開する取組が対象です。
「製品等の新規性」と「市場の新規性」の両方を満たす必要があります。
例えば、単に生産量を増やすだけの取組や、製造工程をデジタル化するだけの取組では、新事業進出とは認められません。

・グローバル枠

自社の製品・技術を活用し、海外への販路開拓に取り組みながら、国内の製造体制も強化する取組が対象です。
取引先からの発注を受けて製造ラインを増設する場合や、海外に拠点を設けて現地生産を行う場合などは対象外となるため注意が必要です。

それぞれの枠には、対象とならない事例も具体的に示されています。
「設備を導入したい」という目的だけで申請枠を決めるのではなく、設備導入によって何を実現し、どのような新しい事業につなげるのかを整理したうえで、自社に合った枠を選ぶことが大切です。
申請を検討する際は、公募要領や応募申請ガイドの具体例も確認し、自社の計画が要件を満たしているかを事前に確認しておきましょう。

事業計画に求められる「基本要件」

採択されるためには、以下のような基本要件を満たす事業計画を策定する必要があります。

- 付加価値額の年平均成長率+4.0%以上の目標設定・達成
- 一人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上の目標設定・達成
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準の維持
- ワークライフバランスに関する行動計画の公表
- 子育て等に関する職場環境整備への取組
- 金融機関から資金提供を受ける場合の事業計画確認

特に付加価値額や賃上げの目標値は、基準値より高く設定するほど審査上評価される一方、未達成の場合は達成率に応じた補助金返還が求められます。
無理のある目標設定は後々のリスクになるため、実現可能性を慎重に検討したうえで数値を定めることが重要です。

審査で評価されるポイント

書面審査では、補助対象事業としての適格性に加え、経営戦略との整合性、事業の実現可能性、新規事業の新市場性・高付加価値性、公的補助の必要性などが総合的に評価されます。
特に「足下の賃上げ」、つまり補助事業の完了を待たずに実施する賃上げの取組は採択時の評価対象となっており、物価上昇率を上回る水準の賃上げが伴わない計画は審査上不利になるとされています。
なお、「足下の賃上げ」の評価において比較対象となる物価上昇率について、いつ時点のどこの統計データを基準とするのかといった、具体的な算出根拠や詳細な定義は、現時点の公募要領および応募申請ガイドには記載されていません。
今後、事務局が公開する追加資料等によって詳細が示される可能があるため、申請前に必ずホームページ等で最新の情報を確認することをおすすめします。
また、本補助金には全枠共通の加点項目が15項目、グローバル枠のみ対象となる加点項目が2項目あり、これらは短期間で取得できるものと、数ヶ月の準備が必要なものがあります。
特に、「パートナーシップ構築宣言」や「成長加速マッチングサービス」については、比較的簡単な手続きで登録できるため、申請前に取得・登録を済ませておくとよいでしょう。
一方で、過去の補助金で賃上げなどの加点要件を達成できなかった場合には、減点の対象となることもあります。
過去の取組や補助金の実績も審査に影響するため、こうした点も踏まえて申請準備を進めることが重要です。

申請準備で見落としがちな注意点

応募申請には決算書、労働者名簿の写し、確定申告書関連書類など多岐にわたる添付書類が必要で、電子申請システムの利用には「GビズIDプライムアカウント」の事前取得が求められます。
また、採択後も交付申請、補助事業の実施、実績報告、そして補助事業完了後5年間にわたる事業化状況報告など、長期的な義務が続きます。
交付決定前の事前着手や計画変更は一切認められないため、採択発表後のスケジュール管理も申請段階からあらかじめ想定しておく必要があります。

まとめ

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、単に設備投資費用の一部を補うものではなく、中小企業の中長期的な成長戦略そのものを審査する制度です。
そのため、公募要領や応募申請ガイドを確認し、自社の事業がどの申請枠に該当するのか、またどのような数値目標であれば実現可能性を持って達成を目指せるのかを、経営者自身が主体的に整理することが重要です。
必要に応じて認定支援機関等の専門家に相談しながら、事業の実現可能性や成長性を具体的に示せる計画へと練り上げていく事が、採択に向けた重要なポイントとなります。
補助金の活用を検討されている事業者の方は、ぜひ一度、認定支援機関にご相談ください。

≪出典元≫中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」応募申請ガイド(第1回)

この記事の著者

シェアビジョン株式会社

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金編集部

認定支援機関(認定経営革新等支援機関※)である、シェアビジョン株式会社において、80%以上の採択率を誇る補助金申請書のベースとなる経営計画書を作成してきたメンバーによる編集部が監修・執筆しています。 当社は、2017年の会社設立以来、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金申請サポートをはじめとしたコンサルティングサービスを提供してまいりました。『顧客・従業員のビジョンを共有し、その実現をサポートすることで社会の発展と幸福を追求する』を経営理念とし、中小企業の経営者のビジョンに寄り添い、ビジネスの課題を解決するための手助けをしています。支援してきたクライアントは1,300社以上、業界は製造業、建設業、卸売業、小売業、飲食業など多岐に渡ります。このブログでは、中小企業の経営者にとって有益な情報を分かりやすくお届けしてまいります。

※認定経営革新等支援機関とは?
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると国が認定した経営相談先です。全国各地に3万箇所以上の認定支援機関があり、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関、経営コンサルティング会社等が選出されています。認定支援機関を活用することで、補助金申請だけでなく、財務状況、財務内容、経営状況に関する調査・分析までを支援するため、自社の経営課題の「見える化」に役立ちます。

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