省力化投資補助金(一般型)6回公募の申請チャンスは5月中旬
6回公募では補助対象外事業の詳細化、加点・減点項目が追加
中小企業の人手不足対策として注目を集める「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の第6回公募の公募が開始されました。
本制度は、業務プロセスの自動化やDX、ロボット導入などの設備投資を支援する補助金であり、製造業・建設業・サービス業など幅広い業種で活用が進んでいます。
また、3月6日(金)に発表された4回公募の採択結果を見ても、多くの企業にとって活用しやすい補助金となっていることがわかります。
5月中旬に締切とされている6回公募では、中小機構の新サービスであるサイトの活用や、一時的な流行への投資を抑制する観点から、加点・減点項目が見直され、審査項目に反映される形となりました。
この記事では、6回公募に向けた傾向と4回公募の採択結果から見える傾向に加え、3月に変更のあるカタログ注文型についてもお伝えします。
6回公募は、5月中旬に締切の予定で発表されました。公募開始日 | 2026年3月13日(金) |
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申請受付開始日 | 2026年4月中旬(予定) |
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公募締切日 | 2026年5月中旬(予定) |
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採択発表日 | 2026年8月下旬(予定) |
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申請受付開始以降の詳細の日程は未定ですが、5月中旬となると、ゴールデンウィークを挟むため、ゆとりを持った準備期間を設け、早期に取り掛かることをおすすめします。
これまでのスケジュール感として、年3~4回の公募が実施されると言われていましたが、2025年3月に締め切られた第1回公募から、計4回の公募が年内に実施されました。
事務局のHPでも「第7回の公募のスケジュールは詳細が確定次第更新いたします。」とあるように、定期的な公募となることが想定されます。
5回公募から給与支給総額の算出にあたり、全月分の支払いを受けている従業員に限るという変更がなされ、申請時に証左となる書類提出が必要になりました。
6回公募で、そこからさらに追加された大きな変更点としては、以下の通りです。
「利用者に有償で提供する設備、システム、サービス等の開発・改良を含む内容の事業」追加
「汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業※汎用設備やパッケージソフトを複数組み合わせることでより高い省力化効果や付加価値を生み出す場合は対象となります。」追加
「観光庁の「観光地・観光産業における人材不足対策事業」(令和7年度)または「観光地・観光産業における省力化投資補助事業」(令和8年度)により設備投資に対する補助金の交付決定を受け、それから10か月を経過していない事業者」詳細化
事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画に対する加点の申請システムでの実施状況の振り返り報告や、複数回の認定を取得することにより加点上乗せ
近年甚大な被害を生んでいる災害は中小企業にとって事業継続力強化計画の重要性が再認識されています。
認定を受けている企業の実施状況の報告はこれまで任意ではありましたが、継続的な取組実施を報告することで、加点として上乗せされるようです。
また、過去に認定を受けていた事業者も、計画期間を終えて新たに取得した場合も同様に上乗せされます。
・省力化ナビ加点の追加
中小機構が運用する「省力化ナビ」の活用が加点に加わりました。
省力化に向けた取り組みを把握できる情報サイトのようですが、登録によって加点となるようです。
3月26日(木)15時~サービス開始予定で、活用には本制度の申請時に入力するGビズIDプライムアカウントと同様であることが必要です。
<省力化ナビとは>
中小企業・小規模事業者の省力化や生産性向上につながる解決策と取組のノウハウをイラスト形式で直感的に把握できるサイトです。飲食業、宿泊業、運輸業、製造業等の業種別に、業務に関するお悩みを選択すると、その解決策が表示され、具体的な事例や、今からできる取組ステップを確認できます。また、会計や人事等の業種横断的なお悩み事にも対応しています。
・健康経営優良法人加点の追加
・過剰投資の抑制の追加
事業再構築補助金や新事業進出補助金では減点項目となっていた、「過剰投資の抑制」が追加されました。
これは、事業再構築補助金13回公募から追加された項目で、特にグランピング、サウナ等、一時的な流行と捉えられて同時期に同テーマの投資が集中した場合、その取組内容に該当すると減点になる措置が取られました。
③省力化投資補助金4回公募全体の採択率が69.3%と高採択率
3月6日(金)に省力化投資補助金4回公募の採択結果が発表されました。
気になる採択率は、応募者2,100者に対して1,456者が採択となり、69.3%と7割近くになりました。
中小企業庁が実施している他の補助金では公募回数が経過するにつれて、年々審査が厳格化し、ここ数回のものづくり補助金は3割程度の採択率となっています。
そのため採択率だけで見ると、格段に狙いやすい制度であることがわかります。
その背景としては、賃上げの実現に向けた収益力を強化するため、国が日本企業全体での省力化対策を重視していることが大きく関連しています。
2025年の平均賃上げ率は5.25~5.52%と、2年連続で5%台の高水準を記録しました。労働力確保を目的とし、中小企業でも5%超と高水準となっています。
4回公募の採択結果の計画名に「賃上げ」が多くみられる点でも、その影響が大きく見られます。
「持続的な賃金上昇」を実現していくためには、企業の生産性向上が欠かせません。特に人手不足が深刻化する中、省力化に向けた取り組みは中小企業にとって重要な経営課題となっています。
こうした背景を踏まえると、省力化投資補助金を活用して業務効率化や生産性向上につながる設備投資を進めることは、企業の収益力を高め、賃上げの実現につなげていく上で有効な選択肢の一つといえるでしょう。
主たる業種別の採択件数割合を見ると、1回公募では6割程度だった製造業が4回公募では約5割となっています。
また、建設業の割合が15%程度と4%増加していることや、サービス業等の他の業種の活用が増加していることがわかります。
同じ中小企業省力化投資補助金の、より使い勝手が良い申請枠であるカタログ注文型が、2026年3月19日より制度が改定されます。
まず、申請受付期間が、2026年9月末までから2027年3月末頃までに延長されました。
また、補助上限額が見直され、従業員数20人以下の企業は補助上限が引き上げられます。
従業員数 | 補助上限額 (3月16日まで) | 補助上限額 (3月19日から) | 補助率 |
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5人以下 | 200万円(300万円) | 500万円(750万円) | 1/2 |
6~20人 | 500万円(750万円) | 750万円(1,000万円) |
21人以上 | 1,000万円(1,500万円) | 1,000万円(1,500万円) |
さらに、収益納付は撤廃、大幅な賃上げの定義(事業場内最低賃金45円以上の増加→3%以上増加)が見直されます。
加えて、累計補助上限額が見直され、2回目以降の交付申請では、各申請時の補助上限額を2倍にした額を1事業者あたりの累計補助上限額として、前回までの累計交付額を差し引いた額を上限に申請ができるようになりました。
改訂前の申請締切は2026年3月16日(月)17時までのため、期日を過ぎた場合は新制度が適用されます。省力化投資補助金は、人手不足対策、DX推進、生産性向上を同時に実現できる補助金として、今後も活用が拡大する見込みです。
次の申請機会は5月中旬締切の第6回公募ですので、設備投資を検討している企業にとっては、今年前半の重要な補助金活用のチャンスになります。
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