パートナーインタビュー
全国対応とレスポンススピードで
200社超の補助金申請支援を実現
営業プロセスの
重要な1ピースを
担う存在に
三菱電機株式会社 × シェアビジョン
インタビュー概要
国内製造業を取り巻く環境が大きく変化するなか、設備投資の後押しとなっているのが省力化投資補助金に代表される各種補助金です。一方、公募要領は一般の申請者に難解な部分もあり、制度も年々変化しています。そのため、最新情報を常に把握し、顧客に最適な提案を行うことは容易ではありません。
三菱電機株式会社では、工作機械の販売活動に補助金を活用できるようにするため、シェアビジョンとの連携を推進。これまでに200社を超える申請支援につなげてきました。
今回は、三菱電機株式会社 メカトロ営業統括部の糸谷さまとシェアビジョン株式会社 代表取締役の小林に、これまでの協業の経緯や成果、今後の展望について語っていただきました。
三菱電機株式会社
1921年設立の総合電機メーカー。FAシステム、ビル設備、社会インフラ、エネルギー、家電、半導体・デバイス、宇宙・防衛など幅広い事業を世界で展開。デジタル技術と高度な制御技術を強みに、社会課題の解決と持続可能な社会の実現を目指しています。
2026年3月期の連結売上高は約5兆8,947億円、連結従業員数は約15万人
国内製造業では、成長分野への事業転換が重要に
糸谷さま: 私は、三菱電機の中でも放電加工機やレーザー加工機を中心とする工作機械部門で、国内営業の統括を担当しています。そのほか、金属3Dプリンターや電子ビーム加工機なども取り扱っています。
国内の工作機械市場は、2015年頃から設備投資や補助金の後押しで拡大し、2018年にピークを迎えました。その後は需要が落ち込み、2021~2022年に一時回復したものの、2023年以降は再び減少しています。現在はピーク時を下回る水準で推移しています。
背景には、日本のものづくりが中国や東南アジアへ移転していることがあります。特に、自動車関連の金型製造は海外移転の影響を受けています。自動車部品も共通プラットフォーム化が進み、必要とされる部品点数が減っています。
一方で、すべての業種が縮小しているわけではありません。データセンターや電力などのエネルギー関連、半導体、防衛・宇宙といった分野はまだまだ成長しています。そのため、成長分野へ事業転換できた企業には、新しい設備投資の機会が生まれています。
小林: 補助金制度も、そうした産業構造の変化や国の政策に応じて変わっています。最近は単なる設備更新ではなく、成長分野への進出、省力化、生産性向上、事業規模の拡大といった目的がより重視されるようになっています。
だからこそ、「設備を購入したいので使える補助金を探す」という順番ではなく、企業が目指す方向と補助金の目的をすり合わせることが重要です。
設備投資を行う顧客の過半数が補助金を活用
糸谷さま: 当社の工作機械のお客様は、大手企業から従業員10名未満の町工場まで幅広くいらっしゃいます。そのなかでも、現在、積極的に設備投資を行っているのは、従業員50名から100名程度の企業が比較的多い印象です。
国内で当社の設備を導入されるお客様のうち、何らかの補助金を活用する割合は、過半数に上ります。いまや補助金の活用は、設備投資の検討において欠かせない選択肢です。
ただし、公募要領を読んで、自社に合う制度を判断するのは簡単ではありません。申請には準備期間が必要ですし、金融機関からの借り入れを含めた資金計画も考えなければなりません。
どのような補助金があり、どの制度がそのお客様に合うのか。そこまでを当社だけで判断するのは難しいため、専門家と連携したほうが、より良い提案ができます。
小林: 補助金には、それぞれ政策上の目的があります。そのため、補助金ごとの目的をしっかりと理解し、「この補助金を活用するなら、設備のこの機能を生かして、こうした生産性向上を目指す必要がある」と整理する必要があります。
必要に応じて機械だけでなく、周辺機器やソフトウェアを組み合わせ、制度の目的に沿う事業計画を一緒に考えていきます。企業が本来実現したいことと、設備の機能、補助金の趣旨が自然につながる計画をつくることが大切です。そういったことを心掛けながら、共同でご提案ができるよう準備をしています。
最も重視するのは、採択率だけではなく「レスポンス」
糸谷さま: シェアビジョンさんを評価している一番のポイントは、レスポンスの速さです。
もちろん補助金の採択率も重要ですが、私たちメーカーの立場からすると、まず予定どおりに提案を進め、お客様の投資タイミングを逃さないことが重要です。
設備投資にはタイミングがあります。営業担当者がお客様の関心を高めたときに、補助金についてすぐに詳しい説明をしてもらえる。その結果、商談を次のステップへ迅速に進められる。そのフットワークの軽さが、営業活動において大きな価値になっています。
小林: 補助金の申請は、締め切り直前だけ頑張ればよいものではありません。自社の強み・課題の分析を行い、その上で設備の導入目的や現在の課題、新しい取り組み、期待する効果などを整理しなければ、説得力のある事業計画にはなりません。会社全体の事業戦略を定めた上で、個々の取り組みの必要性が正しく判断できないからです。
そのため、お客様の検討意欲が高まっている段階でお話を伺い、早めに方向性を固めることからサポートさせていただくことを大切にしています。なるべく対面でお会いし、信頼関係を築けるようレスポンススピードやフットワークの軽さも重視しているポイントです。
糸谷さま: シェアビジョンさんは、当社と同じようなテンポで動いてくれます。そのため、補助金活用を特別な活動としてではなく、普段の営業活動のなかに組み込めます。当社の営業プロセスにおける重要な1ピースになっています。
全国で同じ品質の説明を受けられる安心感
糸谷さま: シェアビジョンの評価ポイントで、もう一つ大きいのが全国対応です。
当社は、全国の販売代理店や機械商社を通じて製品を販売しています。各地域で案件が発生した際、シェアビジョンさんに相談すれば、担当者が現地へ足を運び、お客様への同行訪問や代理店向けの説明会を行ってくれます。
地域によって対応品質が変わらず、誰が担当しても一定水準の説明を受けられることは、全国で事業を展開する当社にとって非常にありがたいことです。
小林: 私たちも全国各地からご支援のご依頼があった場合にも、各コンサルタントが一定以上の品質で対応ができるよう、新しい補助金の公募要領が発表された際には、社内で勉強会やロールプレーイングの実施を徹底しています。制度によっては、社内テストをクリアしなければ、担当者が一人でお客様に説明できないという基準も設けています。
コンサルティング業界でありがちな、属人的な対応により、コンサルタントの力量次第というバラツキを発生させてはいけません。
補助金は毎年変化するため、過去の知識だけでは対応できません。担当者個人の経験に頼るのではなく、最新情報と傾向を分析しつつ、過去の支援事例を社内で共有しながら、全国で同じ品質を保てるようにしています。
工作機械を理解しているから、話が早い
糸谷さま: シェアビジョンさんと連携しやすいもう一つの理由は、当社の設備を理解してくれていることです。
他にも補助金支援を行う金融機関やコンサルティング会社は多々ありますが、工作機械のことを理解していない場合、まず工作機械の構造や機能を一から説明しなければなりません。
その上で、なぜこの設備を導入するのか。導入によって、どう工程が変わり、どのような生産性向上が実現するのか。そこを理解していなければ、具体的な事業計画には落とし込めません。
シェアビジョンさんは、これまでの数多くの案件を通じて当社の製品や製造業の現場を理解しています。そのため図面を見ただけでも、設備の特徴を理解してくれます。設備の説明に多くの時間を割かなくても、同じ目線で話を進められる点が非常に魅力的です。
小林: 糸谷さまが仰っていただいた点は、当社としては非常に重要視している点です。そのため、私たちも三菱電機さんの工場を訪問し、工作機械や加工方法について学ばせていただきました。
機械単体だけではなく、CAD・CAMなどのソフトウェアや周辺システムも含めて理解することで、より現実的な計画を考えて、提案できるように人材育成してきました。
最近では、お客様から限られた情報を伺った段階でも、業界や工程を踏まえて、ある程度の課題や導入効果を想定できるようになりました。お客様から「少し説明しただけなのに、よく当社のことが分かりますね」と評価いただくこともあり、お客様や販売代理店様から信頼をいただきやすくなりました。
糸谷さま: 高額な案件になればなるほど、機械だけでなく、ソフトウェアや周辺装置など、検討すべき要素が増えます。機械への理解が深いからこそ、そうした複雑な案件をまとめて事業計画に落とし込んでもらえることも、当社にとっては大きな価値です。
販売店任せから、自社主導の補助金提案へ
糸谷さま: 以前は、補助金の提案を販売代理店や機械商社に任せることが多く、当社主導で全国統一された取り組みにはなっていませんでした。
もちろん、販売代理店が独自に連携しているコンサルティング会社を利用するケースもあります。しかし、世の中の流れとして補助金の重要性が高まるなか、三菱電機としても、主体的にお客様へ提案できる体制が必要だと考えるようになりました。
シェアビジョンさんとの連携後は、当社から補助金活用を提案し、これまでに支援していただいた企業は、200社を超えています。
国内市場に逆風が吹くなかでも、工作機械部門の販売実績をしっかり維持できている背景には、こうした補助金提案を有効に活用できてきたことも要因になっていると考えています。
小林: 思い返せば、三菱電機さんとの連携が大きく広がったのは、事業再構築補助金が始まった時期です。
レーザー加工機を活用して、どのような新事業を考えられるのか。新しい補助金が出た当初は採択の前例がなかったため、三菱電機さんと一緒に自社製品の導入と補助金の組み合せについて複数の方向性を検討しました。
実際の申請を通じて複数の成功パターンが蓄積され、その事例を別の営業担当者や地域にも展開できるようになりました。最初から正解があったわけではなく、まず一緒に考え、どんどん試してみるという姿勢が、現在の連携につながっています。
採択後も続く支援が、次の補助金活用を守る
小林: 補助金支援は、採択されたら終わりではありません。設備を導入し、実績報告を行った後も、一定期間、事業成果や賃上げ状況などを報告しなければならない制度が大半です。
事業者にとっては、設備導入が完了した時点で一区切りついた感覚になりがちです。しかし、報告を適切に行わなかったり、申請時に設定した賃上げ目標を忘れてしまったりすると、次の補助金を利用できない、補助金の返還を求められるといった問題につながる可能性があります。
何よりせっかく掲げた事業計画が上手く進まず、事業が軌道に乗らなければ、お客様にとっては投資が無駄になってしまうのは、非常に残念でなりません。
私たちは、申請時の計画や目標値を管理し、期限が近づいた段階で確認しています。実際にチェックすると、目標達成に向けた対応が必要な企業が一定数見つかるんですね。
採択までだけでなく、補助事業が完了し、その後の報告まで事業の取り組み進捗を共有して支援することが重要だと考えています。
糸谷さま: 設備を販売する側にとっても、採択後の手続きや報告まで対応してもらえることは安心材料です。シェアビジョンさんの場合は、設備や制度への理解があるため、そのあとのサポートについても当社側への質問や確認も軽微で安心してお任せできます。
営業担当者が一歩踏み込んだ提案を行うために
糸谷さま: 営業担当者は、「補助金が使える可能性があります」と伝えることはできます。しかし、お客様に合う制度を具体的に示し、「この設備を導入するなら、このような取り組みが考えられます」と提案できる担当者は、まだ多くありません。
そこで期待しているのが、シェアビジョンさんが提供する「Vision Compass」です。
お客様の状況や検討している設備などを入力することで、活用可能性のある補助金と提案内容を一枚にまとめられる。営業担当者が事前にその資料を持参できれば、お客様との会話に入りやすくなります。
お客様が「もう少し詳しく聞きたい」となった段階で、シェアビジョンさんにつなぐ。その流れができれば、互いに営業活動の質をさらに高められると考えています。
小林: 最初からすべての案件に専門家が同行するのではなく、営業担当者が初期提案を行い、関心度の高いお客様に対して専門家が詳しく説明する。その役割分担を実現することが、Vision Compassの狙いです。
営業担当者がお客様の課題を把握し、設備と補助金を組み合わせた提案のきっかけをつくる。その後、私たちが制度の詳細や申請の条件を説明し、実際の事業計画へ落とし込んでいきます。
Vision Compassは今後さらに現場で活用いただけるように、AIによる補助金への質問の回答、最新の制度解説動画の配信など、機能やコンテンツを拡充していく予定です。
機械単体から、製造工程全体の改善提案へ
糸谷さま: 今後は、工作機械を単体で販売するだけの案件は、相対的に少なくなっていくと考えています。
人手不足への対応が求められるなか、設備だけでなく、自動化装置や搬送設備、トレーサビリティ、クラウドサービスなどを組み合わせ、工程全体を改善する提案が必要になります。
例えば、加工の完了情報をクラウド上へ集約し、離れた場所から稼働状況を確認したり、次の工程へ指示を出したりする。そうしたハードウェアとソフトウェアを組み合わせた仕組みが、省力化や生産性向上につながります。
当社でも専門チームを設け、ソリューション提案を強化しています。ただし、製造工程全体に踏み込むほど、補助金の申請内容も複雑になります。今後もシェアビジョンさんとも情報を共有しながら、営業力の強化を進めていきたいと考えています。
小林: 省力化や省人化は、機械を一台入れるだけで解決できるものではありません。製造工程全体を確認し、どこにボトルネックがあり、設備やシステムをどのように組み合わせるかを考える必要があります。
補助金も今後、そうした全体最適の取り組みを重視する方向へ進むと考えられます。設備、ソフトウェア、自動化、データ活用を一つの計画として整理する力が、これまで以上に求められると認識しています。
制度の変化をいち早く捉え、全国の営業へ届ける
糸谷さま: 設備投資を支援する補助金制度は今後も数年間は続くと思います。ただし、制度の中身や国が支援したい対象事業者は、絶えず変化していくでしょう。
また、エネルギー、半導体、防衛・宇宙、ロボットなど、成長が期待される産業も変わります。それに伴って、必要とされる加工技術や設備、ものづくりの方法も変化します。
メーカーとしては、その変化をいち早く察知し、営業担当者や販売代理店へ共有しなければなりません。シェアビジョンさんには、今後も補助金制度の動向を早期に捉え、分かりやすく発信していただくことを期待しています。
また、現在の全国対応とクイックレスポンスを維持しながら、新しい担当者が加わっても同じ品質で支援できる体制を、引き続き強化していただければありがたいです。
小林: 三菱電機さんからご期待をいただいている分、全国でしっかりと受け止められる組織でなければなりません。これまでに蓄積した支援データや成功事例を社内教育に生かしながら、業界動向や、新たなものづくり技術の知識習得を進めていきながら新しいメンバーでも迅速に対応できる体制をつくっていきたいと思います。
糸谷さま: 補助金の提案は、単にお客様の設備購入費を軽減するためだけのものではありません。新しい分野への進出や生産性向上を支え、日本のものづくりを次の段階へ進める手段でもあります。
これからもシェアビジョンさんと連携し、設備と補助金の両面から、お客様の新しい挑戦を後押ししていきたいと思います。