全国対応東京・大阪・京都・名古屋・福岡 5拠点/ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、省力化補助金等 経営に直結する補助金に強いシェアビジョン

制度概要

【活用事例】省力化投資補助金(カタログ注文型)で実現した現場改革

この記事のポイント

  • 登録製品から選ぶだけ、シンプルな申請方式

  • 対象製品は2,500点超え!幅広い業種で活用可能

  • 飲食・小売・製造業などの実例で作業時間が大幅短縮されたケースも!

はじめに

人手不足、採用難、賃金上昇など、中小企業を取り巻く労働環境は年々厳しさを増しています。中小企業の多くが人手不足を経営課題として抱えており、「採用で解決する」という従来の発想だけでは限界を迎えつつあります。
こうした課題の解決策として注目されるのが、「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」です。国があらかじめ認定した省力化製品をカタログから選ぶだけで申請できるこの制度は、従来の補助金にはないシンプルな仕組みが特徴です。
本コラムでは、公式に公開されている6つの業種別活用事例を基に「どのような課題に対して、どんな設備を導入し、どのような成果が得られたのか」を整理し、自社で活用する際のヒントをお届けします。

そもそも「カタログ注文型」とは?

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、IoT・ロボットなど人手不足解消に効果のある汎用製品の導入を支援する制度です。
最大の特徴は、申請者が一から設備を企画する必要がなく、国が事前審査した「カタログ登録製品」から選ぶだけで申請が可能な点にあります。

項目

内容

補助率

1/2

補助上限額

従業員数5名以下:500万円(賃上げ特例で750万円)
従業員数6~20名:750万円(賃上げ特例で1,000万円)
従業員数21名以上:1,000万円(賃上げ特例で1,500万円)

対象

日本国内で事業を営む中小企業等

申請方法

販売事業者との共同申請

申請手続きは、4つのステップで進めることができます。
① GビズIDの取得 → ② カタログから製品選定 → ③ 販売事業者の選定 → ④ 共同申請
販売事業者が申請手続きを伴走してくれるため、かなり取り組みやすい設計となっています。
2024年の制度開始当初は、申請から交付までおおよそ1ヶ月とされていましたが、現在は申請数の増加などの影響により、2ヶ月前後へとやや長期化しています。
とはいえ、他の補助金と比べると、比較的スピーディーに設備投資を進められる点が特徴です。

≪参考≫申請・手続きの流れ(カタログ注文型)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/flow/

対象製品は2,500点超!あらゆる業種で活用可能

「カタログ注文型」というと、調理機器や清掃ロボットなど一部の製品をイメージしがちですが、実は対象範囲は非常に幅広く、製品カテゴリは181件、登録製品数は2,516点とサービス業から製造業まで、幅広い業種で活用可能な設備が登録されています。
主なカテゴリと製品例は以下のとおりです。

カテゴリ

主な製品例

想定される活用業種

飲食・小売向け

券売機・セルフ注文機、自動精算機、配膳ロボット、セルフレジ、スチームコンベクションオーブン

飲食店、小売店、製菓・パン店

搬送・物流向け

AGV(無人搬送車)、AMR(自律走行搬送ロボット)、コンベアシステム、自動倉庫

製造業、物流業、卸売業

製造業向け

産業用ロボット、協働ロボット、自動加工機、自動組立装置、検品・仕分システム、印刷用インキ自動計量装置

金属加工、食品製造、印刷業など

業務効率化
(IT・IoT)設備

在庫管理システム、勤怠・シフト管理システム、IoTセンサー・データ管理システム

全業種(バックオフィス共通)

サービス業

受付・案内ロボット、清掃ロボット、自動チェックイン機、見守り・管理システム、タブレット型給油許可システム

宿泊業、医療・介護、ガソリンスタンド

その他専門業向け

測量機、バランサ装置、各種専門機械

建設業、専門サービス業

≪参考≫製品カタログ(カタログ注文型)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/product_catalog/

業種別6つの活用事例

中小企業庁が2025年2月に公表した事例集には、多様な業種・規模の採択事例が掲載されています。具体的に見ていきましょう。

事例①:飲食業
人気メニューのハンバーグは、フライパンでの調理が基本であり、一度に焼けるのはわずか2〜3個でした。
さらに焼き加減を見守るため、調理スタッフはガス火の前から離れられず、ピークタイムには「焼くだけで手一杯」という状態が続いていました。
そこでスチームコンベクションオーブンを導入したところ、一度に焼ける個数は約7〜10倍に跳ね上がり、火加減を見張る必要もなくなりました。

比較項目

導入前

導入後

1回の調理数

2~3個

20個(約7~10倍)

ガス火前の待機

必要

不要

⇒削減で聞いた時間で新メニュー開発や接客強化が可能に。

事例②:小売業
観光地で土産販売等を行う会社では、名物「わっぱ飯」の提供を行っていました。
インバウンドの需要が急増する中、従来のボイラー方式では、1人あたり60分もの調理時間がかかり、生産が追い付かない状況でした。
スチームコンベクションオーブンの導入により、調理時間は4分の1に短縮し、大量生産体制が整いました。

比較項目

導入前

導入後

調理時間

60分

15分

⇒スタッフの負担軽減と、インバウンド需要への対応力強化を同時に実現。

事例③:生菓子製造業
繊細な温度管理が求められるマカロンの焼成は、1人あたり2時間かかる重労働のため、新商品開発や販促活動に手が回らないことが負担となっていました。
スチームコンベクションオーブンの導入後、焼成時間は半分に短縮し、生まれた1時間をSNSによる情報発信や、他の菓子の増産にあてられるようになりました。

比較項目

導入前

導入後

焼成時間(1人あたり)

2時間

1時間

⇒「省力化」が「攻めの時間創出」につながった好事例。

事例④:宿泊業
フロントとロビーの清掃には、毎日2人のスタッフが合計2時間を要しており、早朝・深夜の人員配置に苦労していました。
そこで清掃ロボットを導入した結果、人による清掃時間は実質不要となった一方で、清掃頻度は増加し、館内の清潔感は以前より向上しました。

比較項目

導入前

導入後

清掃人数

2人

0人

清掃時間

合計2時間

0時間

⇒スタッフは接客などの「人にしかできない業務」に専念することができる。

事例⑤:製造業
工場内の部品運搬は、1人が運搬、もう1人が安全確認のため付き添う2名体制であったため、「運搬のためだけに人を割く」非効率さが課題となっていました。
無人搬送車(AGV/AMR)を導入したことで、運搬は完全自動化となり、付き添いも不要で1名体制へと移行できました。

比較項目

導入前

導入後

運搬体制

2名体制

1名体制

人の付き添い

必要

不要

⇒浮いた人手は部品整理など、より付加価値の高い業務へシフト。

事例⑥:燃料小売業
セルフ式ガソリンスタンドでは、消防法上、給油許可のためにスタッフが事務所内に常駐し続ける必要があり、業務拡大の足かせになっていました。
タブレット型給油許可システムの導入で、スタッフは事務所を離れて自由に動けるようになったことで、空いた時間でレンタカー清掃などの新規事業をスタートさせ、収益源を拡大しています。

比較項目

導入前

導入後

事務所内常駐

必須

不要

業務範囲

給油許可のみ

業容拡大(新規事業へ)

⇒「拘束されていた時間」を「価値を生み出す時間」へと転換した好事例。

成功のための共通項

6社の事例を俯瞰すると、ある共通項が浮かび上がります。
それは「省力化=人を減らす」ではなく、「省力化=時間の再投資」と捉えている点です。
〇飲食・製菓業 → 浮いた時間を新メニュー開発・SNS発信へ
〇宿泊・小売業 → 浮いた時間を接客品質向上・インバウンド対応へ
〇製造・燃料小売業 → 浮いた人手を付加価値業務・新規事業へ
つまり、導入した設備は「成長の時間を生み出す装置」として機能しているのです。

まとめ

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、幅広い業種の中小企業が人手不足という共通課題の解決に向けて活用することができる実践的な制度です。
カタログに登録された機器の中から選択して申請できるほか、販売事業者によるサポートも受けられるため、従来の補助金と比べて申請しやすい点が特徴です。
また、導入後は単なる省力化にとどまらず、サービス品質の向上や事業規模の拡大、情報発信の強化など、新たなビジネスチャンスの創出につながった事例も多く見られます。
人手不足への対応を検討している事業者の方は、まずはカタログを確認し、自社の業務課題の解決につながる設備がないか検討してみてはいかがでしょうか。
補助金の活用を検討されている方は、ぜひ制度に精通した認定支援機関へお問合せください。

この記事の著者

シェアビジョン株式会社

省力化補助金編集部

認定支援機関(認定経営革新等支援機関※)である、シェアビジョン株式会社において、80%以上の採択率を誇る補助金申請書のベースとなる経営計画書を作成してきたメンバーによる編集部が監修・執筆しています。 当社は、2017年の会社設立以来、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金申請サポートをはじめとしたコンサルティングサービスを提供してまいりました。『顧客・従業員のビジョンを共有し、その実現をサポートすることで社会の発展と幸福を追求する』を経営理念とし、中小企業の経営者のビジョンに寄り添い、ビジネスの課題を解決するための手助けをしています。支援してきたクライアントは1,300社以上、業界は製造業、建設業、卸売業、小売業、飲食業など多岐に渡ります。このブログでは、中小企業の経営者にとって有益な情報を分かりやすくお届けしてまいります。

※認定経営革新等支援機関とは?
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると国が認定した経営相談先です。全国各地に3万箇所以上の認定支援機関があり、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関、経営コンサルティング会社等が選出されています。認定支援機関を活用することで、補助金申請だけでなく、財務状況、財務内容、経営状況に関する調査・分析までを支援するため、自社の経営課題の「見える化」に役立ちます。